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ユリイカ(ねたバレ注意)

 青山真治監督・脚本 「ユリイカ」

 ユリイカという意味;見つけるというギリシア語らしい。

この映画は、海外の映画賞でも、かなり評価され、又、同じ監督でサッド・バケーションという映画でも一緒に仕事をしている。

この作品は、監督オリジナルなんですね、上映時間はなんと、二時間を軽くこえる長さ。

正直・・・長い、長すぎる・・・とおもうところもあるけれど、それでも先が気になって、見飽きるということはない作品です。

宮崎あおいの出世作品のひとつです!

この作品、もちろん主演は役所さん、共演は、実の兄である宮崎将。

内容は、バスジャック事件の運転手、乗客という間柄、乗客は次々と殺され、いつ自分が殺されるかわからないような、緊迫した状態に長く身を置いたせいか、みんな三者三様に心に傷を負い、そして再生していくというストーリー。

私たちは、日々平凡に生きているから、例えば誰か身内が殺されたり、また、殺してしまったりなんてことめったにない。ついでに、そいう現場に遭遇すること事態もマレです。

だから、例えばそいうことに遭遇してしまった時の身体的、精神的なダメージがどれだけのものなのか?というところがこの話の焦点になっていました。

大丈夫なふりをしていても、立ち直ろう、立ち直ろうとしていても、周りから見るとどこか違いがあり、無理して見えてしまうようなこと、そんなことに違和感を感じたり、居心地の悪さを感じて、この気持ちを共有してくれる人、というよりは、特別視しないで生活できる空間をさがしている、模索している主人公を役所広治さんが繊細に演じておられました。

寡黙で、人を寄せ付けない空気、そして、あきらかに浮いている空気感。周りから見られる特別な目線に、あきらめにも似た感じをかもし出していた。

そして、もう一組の被害者、唯一生き残った、二人の兄弟。この二人が、バスジャックのことがきっかけで、家族が離散し、母親は、違う男と逃げ、父親は自殺してしまうという、あまりにも不幸な境遇。

ちょっとやりすぎじゃないですか?という不幸のオン・パレードでしたけど。

じめっとした感じは、あおいさんは、「害虫」という映画や、「白と青で水色」という作品でみていました。どちらもテイスト的には同じ。

あまりにも、大人に見放されてしまった子供でした。害虫のほうは、そもそも彼女を追い込んだ原因が親にあったと同時に、彼女の魔性なる魅力がさらなる不幸を背負い込んだというイメージでした。

ユリイカは、不幸な出来事は、同じ親に見離されるんだけど、大人によって救われるという違いがある。同じ体験をした役所さんによって、同じように乗り越えてゆくという感じ。

大人の力によって救われるというより、共に乗り越える道を模索するって感じで、終わってました。

実際、彼女の兄のほうが、受けた傷を、引きずり、それによって犯罪を犯していたという設定でしたが、それを知っていてもどうしようもできない、妹が本当に可哀想で、いつ、精神のバランスを崩してもおかしくないような危うい感じがでていました。

このような作品を十代のときから経験していたら、それは、やはり経験という意味でもかなりの能力になるだろうな・・・そいう思います。

得てして、得られるチャンスも、彼女を選んだか・・・という印象。

宮崎あおいにしても、蒼井優にしても。

どれだけ軽い役をやっていたとしても、このな経験があれば、いつでもこのスタンスに戻ってこれるそんな気がします。

役所さんが、兄の犯罪をしり、それを止めるところは、圧巻でした。言葉でいうことはほとんどない、目線や表情、動きで全身で訴える力がみなぎっていて、ああ、人はこんなところで絆としてつながれるんだ・・・押し付けがましくない方法で表現していた監督のディレクションには脱帽。

難しい作品だけど、ちゃんと心のどこかにちゃんと残る作品。

長いのを覚悟して、みてみてください!!

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