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2010年9月

君に届け(ネタばれ注意)

  熊沢尚人監督作品 「君に届け」

 昨日、視聴しました。今年見た映画の中で、本当に上位に来るぐらい面白かったです。

私は原作を知らないので、全く比較することはありませんでしたから、原作ファンの人より幾分か素直に見れたんじゃないのかなと思っています。

 青春映画は苦手だし、ラブストーリーはもっと苦手だけど、この作品に関してはそんなんを考えさせないほど面白かったなあ。

 集中してないと、時計ばっかり気にするでしょう・・・それって話が中に入ってないし、因みに感情移入が出来ていないってことじゃないですか、この作品の場合それが全くなかったです。

最初から、ハンカチが離せませんでした。

主人公の人柄を出すような演出が嫌みなく展開していて、そんな姿をみている風早くんがまた爽やかでした。

だから、彼女に魅かれた風早君になんの矛盾も感じなかったし、そのいわゆる少女漫画の王道のような王子様タイプなんだけど、それが全く嫌みじゃないのが、三浦春馬くんの凄いところです。

やりすぎず、やらなさすぎず。非常にストレートに気持ちが入ってきて気持ちがいいほどでしたねー。

見た目の美しさってのも重要なんだけど、そりゃ、「おーいお茶」の宣伝するわ!

って感じでしたね・・・。下手な人がやってしまうとものすごく臭い芝居になってしまうんだけど、やはり彼は若手の中でも抜群に上手いですよねー。

言葉のやりとりがね、優しいですよ、相手を傷つけないように、さらっていう感じが。その絶妙さがなんともいえなかったですねー。

そして、多部未華子さんなんですが、彼女が芸達者な役者ってことは、みなさん御存じだと思うんですが、やはりあの目なんですよ。

本当に綺麗でまっすぐで美しい目をしている。

昔、「誰も知らない」という映画で柳楽優弥君の眼を見たときも思ったけど、透き通るような透明感があるんですよね。

それは、目の形が大きいとか、二重が大きいとかそんなことを言っているんじゃなくて、瞳の中の輝きっていうんだろうか・・・それが凄くある人だなと思うわけですよ。

目が物事を語るというか・・・。だから彼女の作中の言葉を借りるとピュアホワイト的なぶぶんが本当によく出ている。

あと、凄く心地よくはいる声なんですよねー、スッーと入ってくる声。高い声なんだけど、落ち着いて聞けるっていうか。

そんな彼女の持ち味と凄くマッチした役柄だったし、不器用な感じや、物悲しい感じがよく出ていて、「役に立ちたいんです」という言葉が何度も出てくるんだけど、「爽子!!」

って思いますよ、あの声ですーーっと入ってくると。

決して大声を張り上げたりすることはない、彼女はそんなキャラじゃないので、しかし、なんでしょう、あの友達二人の黒いうわさの部分で、トイレで「取り消してください」と訴えるシーン。

何だろう、あの説得力・・・・。やっぱり上手い人ですよこの人は。

前から凄く好きな女優さんでしたけど、この作品を見て相当好きになりました。

あと、この作品の素敵な所に「友情」がありますよね。正直私は恋愛部分ではなく、作品の前半戦の友情部分で凄く泣いたんですね・・・。

爽子の健気な気持ちと、それをちゃんと分かっている二人の同級生。

キャラクターも二人とも面白かったけど、吉田さん、矢野さんのどちらもそれぞれ人に誤解されやすいキャラクターだったし、そんな部分が爽子の気持ちを理解できたんだし、受け入れられたんだな・・・って思うと本当に涙が止まらなかった。

彼女二人が、爽子について夜話していて、「あの子は一人でいることに慣れ過ぎてるから」ということを言いますよね。

だから、人との距離感を測るのに慎重になりすぎるんですよね・・・。そこを分かっている二人が本当にありがたい存在のように思えました。

トイレのシーンで矢野さんが「一人に慣れ過ぎないでよ」というシーンはとても印象深い言葉だったし、優しさと、キャラクターがにじみ出ていてほんとうに心を打ちましたね。

この作品は本当に優しい人達で集まっているし、人は案外見た目でしか人を判断していないけど、知ってしまえば、誤解は解ける。

それを解くも、解かぬも己の勇気次第みたいな印象でした。

風早君の後押しは、本当に爽子にとって強い力になっていた、そんな二人の恋愛部分にもドキドキしながら、いい作品みたなーと思った次第です。

最後にくるみちゃん役の人、彼女もお芝居が上手いですねー。

ちょっと意地悪で姑息な役だけど、凄くわたし、愛おしくなりました!新垣結衣ちゃんに顔似てますね、お芝居はこの子の方が上手いけど。

余談でした!ぜひ劇場で!!

君が踊る、夏 (ネタばれ注意)

  香川秀之監督作品 「君が踊る、夏」

 友達と映画を見に行こう!とか言っていて、じゃ、「13人の刺客」にしよーぜーとか言ってたら、公開がまだだったよん。

ということで「君が踊る、夏」を劇場で拝聴いたしました。

 この物語の舞台は「土佐」・・・高知なんですねー!!

最近「竜馬伝」でも超有名になった場所なんですー!!

ということで感想を・・・・。

最後のラストシーン、もっと見たかった。他の組のパホーマンスなんかも、迫力があったし、絵的に凄く華やかで、見ごたえありました。

溝端くんと、五十嵐君の旗は本当に動きも綺麗だし、迫力も満点でしたー!!かっこよかったですねー!!

と、そこが素晴らしかったので、話の部分は本当に残念でなりませんでした。

まず、この話の場合、主人公はあの木南さんじゃないでしょうか。

何もかも知った上で一番悩み倒している。主人公と妹の間で、そして、いちむじんを復活させるために奔走する姿。

ここに視聴者は感情移入して、心にぐっとくるんじゃないのかなー。

そこの焦点を、溝端君にシフトしているから、なんかぐちゃぐちゃな印象に受けたんですよえ。

いちむじんを復活させるのは、妹の最後の願いだからなんだよね、じゃあ、そこに邁進してほしいのに、進路やら、写真の受賞やら、そんなことで、障害を作るからいまいち集中できない。

この話だったら、いちむじんを復活させるために、友達との友情を回復したり、いちむじんを作ることの目的やら意義やらを仲間と分かち合って、みんなで妹のために踊るって、そのために頑張るってエピソードの方が百万倍感動したなーって思うわけ。

だって、前みんな踊っていたわけだから踊りは上手いし、五十嵐くんと仲直りしたら、すぐに仲間は50人以上集まったでしょう。けっこうすぐに。

あれもあれ?集まったのね・・・・って思うわけよ。

早って・・・みたいに。

へんな話、みんな協力体制にあって、都合良く、踊れたって感じがしてならないわけ。

「君が踊る、夏」というのは写真のタイトルだったのね。

そこも驚いたな・・・。彼が撮りたい写真のターゲットは愛のあるあの子だった!

ってことでしょう。しかもだった!過去形って所がな・・・。

昔に撮った写真で受賞しているのも、いかがなもんなのかな・・・。

それだったら、高知に戻ってきた時に、その時に一生懸命踊っている今のあの子を撮ればよかったじゃないのか!と思ったり・・・。

ちょっと題材的に凄く魅力的だから余計・・・おしい、おしすぎる!!!!!

と思わざるえない。

演技は、溝端君が一番上手かったなー若手さんの中では。

やはり経験の差がバンとでましたねー。

主人公の女の子は、ちょっと厳しかったな、泣くシーンもちょっと・・・・。キャラクターもいまいち好感が持てないというか。

それよりも、何よりもやはり、高島礼子さん!美しすぎる!着物があんなに似合う人います?

土佐弁も全く違和感ないしーキャラクターもかっこいいしー!

いい、お母さんって感じもしっかり出ているし、上手いしー最高!!

ROOKIES(ねたバレ注意)

   平川雄一朗監督作品 「ROOKIES」

 2009年の大ヒット映画を地上波でやっていたので、見たわけです。

因みに、私はテレビドラマは一度も見たことがありません。なので、感動すると言われている部分が、全くわからないと言っていいと思います。

 まず、登場人物の紹介がない。いったい誰?みたいな。

とにかくキャプテンが、小出君で、顧問が主人公の佐藤君、そしてピッチャーが、市川君。

っていう構図は、わかりました。

もうひとつ疑問だったのが、佐藤監督は、野球をやっていた人なの素人なの?横にいた人は副監督なのか?

・・・・。わかんない・・・。

というのが、テレビドラマで散々説明しているから、映画でいう必要がないということなんだろうね。

こういう作品を見ていつも思うけど、本当に映画だけ見た人用には作られていないのね。

あくまで、テレビドラマの視聴者だけを相手にしているっていう。

そういうスタンスで見たから、当然かもしれないけど感動のかの字もない。

臭い青春臭のするセリフに嫌気がさすっていうのは、感情移入がないからなんだろうね。

試合とめ過ぎだし、無駄なアクシデントもやたらと多い。

そんな、ないだろうよ、みたいな。

ただその中でも、確実に上手い俳優がいるってのは確かで・・・。

小出恵介、彼は本当に上手いですねー。

セリフに説得力があるうえに、性格がちゃんと反映された上で発しているから臭さが一切ないのがすごい。

私は、テレビドラマを見ていないので性格的な描写は一切知らないけど、彼がまじめで野球に対する思いが熱くて深い。野球が好きその延長戦で仲間と試合出来るのが嬉しいという人物に見えるから、きっと不良じゃなかったんだろうな、とか、人好きのお人よしのまじめなキャラクターなんだろうな・・・と想像できるわけ。

そのへんも描かれていたけどね。「これは奇跡かもしれない」と言った時の小出君のセリフまわしも表情も妙に説得力があって、その他の感動してほしいエピソードも、あの言葉以上に響くことはなかったな。

 あと、市原隼人君ですねー。不良を全体で体現したような風貌はまー見た目の要素なんだけど、あのガンの飛ばし方といい、ひとつひとつの動きが、まるで舞台を見てるみたいに大きくてダイナミックなんだよねー。

そして隆太君との対比熱い、大きいリアクションに対する、冷静で大きなリアクション。

だから、彼の台詞にはドキッとする所は多々あったなー。この辺はやはり主役級という所でしょうかね。オーラが違う。

その点、隆太君・・・隆太君ってこういうキャラだったのですかねーテレビドラマでも。

ウザキャラですねーまー正直隆太君じゃなかったら、かなりうっとうしい感じですね。

個人的にはめちゃめちゃタイプなんだけど、演技となると微妙な・・・。

完全に、市原・小出に食われたかんは否めない・・・そういう役だから仕方がないけどね!

そうして、もう一人気になった俳優が・・・。

桐谷健太さん、彼も性格描写がはっきりわかりましたね。

駄目きゃらがこんなにリアルに似合う人ってすごいよね、情けない、頼りない、いきっているけど駄目駄目って人間臭いキャラクターが本当に上手い。

だから、とても愛着あるキャラクターになってしまうという美味しい役どころ。

 全体的にそういう要所要所があったけど、お話としては、最後の青春で、この集まった仲間と一緒に野球ができてよかった!

お前たちと出会えてよかった!ということなんでしょうね!

実際、高校時代にこういう経験ができるととても幸せだろうなとは感じる!

そいうおおまかな部分を見て体験してみろってことなんだろうね。

テレビドラマをいつか再放送する時があったら見てみたいと思います!

そのうえで、この作品がもう一度映画として見てみたいか確認したいと思います!!

2010年7月クールドラマ

  2010年7月クールドラマ視聴率ランキング

 季節が過ぎるには早いですね。暑かったと思えば、もう寒い。不思議だ・・・今年。

ということで、今回も視聴率ランキングです!!

毎回書いていますが、視聴率がいいからといって、作品のレベルがいいというわけではないと思いますが、世間的には、何が見られていたかという視点から感想を書いています。

1位  ホタルノヒカリ2 NTV 15,64% 

2位  JOKER CX 14,19%

3位  警視庁継続捜査班 EX 12,55%

4位  夏の恋は虹色に輝く CX 12,34%

5位  ハンチョウ3 TBS 11,42%

 7月クールのドラマ視聴率の結果です。私は今回のドラマは、ホタルノヒカリ2のみ視聴しておりました。

あとのドラマは一回目だけとか見てないのが多いです。

最近、なんだかドラマを見る気が出てこなくてまあ、引き込まれるストーリーがないというのも事実なんだけど。

最近特に増えたな・・・と思うのが、刑事物、弁護士物、医者物・・・・。

やはり数字が取れるってのが一番なんだけど、実話あまり好きじゃないのね。

今回も、ホタルノヒカリ2と夏の恋は虹色に輝く以外はそいう種類のドラマでしたねー。

ホタルノヒカリ3は、本当に綾瀬さんと藤木さんの魅力で最後まで引っ張って行った感じでしたけどー。

私、このドラマは、ほんと軽い気持ちで見れる作品だったし、なによりほっこりした気分になれる所は好きでした。

なんだか継続して、また3年後あたりに、その後を描いていそうだし、また見たい気もする。

今回のヒーローといえば、向井理でしたね!げげげの女房とこちらとかなりの多忙さ。

これからますます人気になっていくんでしょうね!!

来季は本当に見たいドラマの山なんですよーやばい!!

鴨川ホルモー(ネタばれ注意)

   本木克英監督作品 「鴨川ホルモー」

 この作品に関してはね、もう独自の世界観へ連れて行かれるって感じに近いと思います。

主人公阿部に乗っかって、あたかも当たり前に行われてきた歴史的行事といおうか、そういうことを体験していくという。

京都ってそういう感じありますよね、町は碁盤の目になっているし、鬼門の方向には比叡山がある。

そうやって、陰陽道にもとずいて町が作られているし、しかもちゃんと東西南北に位置する大学にホルモーにチームがあるのも面白いし、そのチームの名前が四天王ってのも面白い。

そいう随所にちゃんとこだわりがあるし、式神やら、鬼やらもちゃんと吉田神社で洗礼のような行事に参加してちゃんと見えるってところも面白い。

ことばは「オニ語」と呼ばれるものを使っているんだけど・・・。

もーコメディーですよこれは・・・。

これをあたかも本当に操っているように見せている役者は凄いと思いますよ!!

それから大学の様子を見れるのも面白い。

ああ、京大生はこうやって寮で生活しているんだなーとか思えるし、そんな学生らしい雰囲気も十分にでていて見ていてやたら青春臭がするんだよねー。

また役者が上手いでしょう、山田孝之さんは本当に何を演じても天才的に上手いし、その相方の濱田岳君もいい味だしてたー、それより何より栗山千秋さん、おたくっぽい京大生を凄く雰囲気よく演じていましたよねー。

先輩役の荒川さんもいい味だしている。

この俳優さん、本当に独特の雰囲気で、こういうちょっとファンタスティックな、ちょっとばかげたシュチエーションでもばっちりハマるというか、その中で生きられるリアリティーがあるんだよねー。

面白い!

式神を操る、ホルモーの試合はCGで見ていても結構迫力あったし、なによりも可愛かったな・・・。

でもやはり神様、怒らすと怖いし、そいうものはやっぱり心根をまっすぐに誠をもって操ってないととんでもないことになる!

神々は神々しいもの!というストーリーの結末もよかったな。

あの、楠木さんの阿部くんへの気持ちとかじわじわっとよかったなー。

思いが通じてよかったねー!!

見ていて、何もストレスなく見れたのが最大の利点でした!!

空気人形(ネタばれ注意)

   是枝裕和監督作品 「空気人形」

 「誰もしらない」という映画、カンヌで最優秀主演男優賞を取ったことでも有名になったこの監督の作品。

 もちろん、内容も非常に重いものだし、扱っているテーマも非常に社会問題であったりと人の心にずっしりと入ってくる映画でした。

 それ以降の作品は見ていないです。「あるいても・あるいても」は見たいなと思っているんだけど・・・。

 今回の空気人形はおとぎ話のような空気感と、相反する強烈なメッセージ性があいまってすごく不思議な感覚に陥る話でした。

「こころ」を持ってしまった空気人形が恋をして、人間に触れあって、純粋に感じて行く。

人間はみんな誰かに頼って生きている、孤独と隣り合わせで生きているというような。

彼女は性的処理代用品と自分で言う。

彼女が、新しい代用品を前にして、私じゃなくてよかったの?誰でもよかったの?というシーンは本当に物悲しいし、それを受けて「そういうのがややこしいから、君にしたのに」というシーンでは人間関係って確かにメンドクサク、ヤヤコシイ。

そいう人間関係に疲れ切った板尾さんが、別にどこにでもいる普通のサラリーマンに見えた。

彼女は、ビデオやの店員に恋をして、最後彼を殺してしまうけど、それはまるで、彼女に殺されたいようにも思えた。

過食症が止まらないOL、代用教員だったお爺さん。どういう状況下わかんないけど、一人でもくもくと朝食を食べている、ビデオ屋の店長、お局扱いで、自分の存在価値がわからなくなっているOLなど、みんな物悲しい。

最後、空気人形はゴミ置き場で、倒れていたけど、それもむなしいし悲しい。

なんか、人間はそうはならないでと本当に思うというか、ちょっと希望が見いだせない展開だったけど、唯一オダギリジョーさんが、「おかえり」いったシーンはホットしました。

あのオダギリさん、いかにもそいうの作ってそうなイメージありますよねー。

でも、すごく純粋にホットできるあったかいシーンが流れる所でありました。

正直主題がストレートに入ってこない所はあったけど、ぺ・ドゥナの可愛らしさとエロさをまったく感じさせない肉体は素晴らしかったし、適役でした!!

悪人(ネタばれ注意)

   李相日監督作品 「悪人」

 モントリオール国際映画祭で最優秀主演女優賞を獲得した深津絵里さんで話題になった「悪人」。

 物語は、本当の悪人とは誰なのか?という問いかけが最後まで貫かれている。

悪事を働くには必ず理由があるものだ。

その理由を描いたお話でしたね。

この映画の主人公は、小さな海辺の村でおばあさんと、病院通いのお爺さんと暮らし、土木作業員として働いているいわゆる閉じこもった狭い空間で生活している青年。

ヒロインも又、国道をいったりきたりするだけの、生活空間のせまい、刺激の少ない毎日を送っている独身女性。

そんな二人は、同じように孤独と、情愛を求めた似た状況の二人だった。

というはじまりでした。方言は二人とも違和感なかったし、鬱蒼とした雰囲気は双方でていたと思う。オーラを消し去って、ひたすら孤独に静かにたたずむような空気感を。

妻夫木君はかなり頑張ったのじゃないだろうか・・・・。

深津さんは、「阿修羅のごとく」や「博士の愛した数式」なんかでもうすっかり、この手の一般的で平凡な役柄はお手の物なので、目新しさはなかったかなという印象。

祐一は殺人を犯す過程。

そこの部分を担っていたのが、満島ひかりと岡田将生。現代風の若者を演じていた。

軽くて、潔癖症で、気位が高い=岡田将生

恋に盲目、尻軽でヒステリック=満島ひかり

このふたりがあまりにも、若さ、行動、発言がパワーのある演技だったから、本当に妻夫木くんと深津さんの演技の地味で静かで繊細な感じが伝わってきたという印象。

それぐらい、嫌な性格全開で演じていた二人。満島のヒステリックな追い込みと、声、表情が祐一をぐいぐい追い詰めていく。

自分のコンプレックスをどんどんついて、正常じゃない状態になっていく、怒りや、恨みをあおっていくような演技は見ていて「こりゃ・・・殺されるわ」と思えたり。

ニンニクの臭い、軽そうな発言(恋して相手の気を引こうと必死)な状態が、どんどん悪い方向へ、空気が読めてないような非常にいびつな状態になり、蹴りだされる芝居。

「俺のおふくろとお前を一緒にすんな」みたいな冷たくも非常な言葉など、満島の傲慢知己なプライドをズッタズッタにする発言と行動。

この辺の描写はリアルで、そうなってしまった彼、彼女たちの心理描写がスット入ってきて、とても納得のいく展開になっていました。

セックスの描写はかなりハードだけど、この描き方はひたすらつらい、悲しい空気が終始流れていて、エロティシズムは皆無だと思った。

孤独な男女がお互いの渇きを潤すというか、補うとうか・・・そんな風に感じたな。

「人を殺した人に見えない」というのが私が映画を見て終始思ったことでした。絶対的危機感と、焦りが見えない。せっぱ詰まった雰囲気が見えない。

見えているけど・・・なんだかもっと胸にズンと入ってくる喪失感みたいなものが欲しかったな・・・。

「俺、人を殺してしまった」と告白する時の表情も今一つ入ってこないというかな・・・、やはり殺した瞬間を映像にとっていないからかしら・・・。

それより、柄本明さんが、岡田くんに「お前はそうやって、ずっと人を上から見下ろして嘲笑って生きろ」みたいなシーンの方が300倍入ってきた感じがあった。

お前がそんなことをしたから、とかそいう言葉じゃなくて、その人の性質について、嘆いているシーンが本当に印象的だった。

最後、理髪店で奥さんが待っていて、鏡に映るとすぐ気がついて、ドアを開けに来る所なんて、この両親に育ててもらっていながら、どうして満島さんはあんな女子になっちまったかと思うけど。

そしてもう一人触れなければなりません、キリンさんです。

彼女の育てた孫息子。報道記者のなかを毅然と歩くシーンは、何を思ったか。多分、孫なりに何か事情があってこういうことに至ったということを漠然と信じている感じが、凄くつたわってきて、へんな話そのあたりで泣きそうだった。

バスへ乗って、そのバスの運転手に「あんたはなんも悪いことしとらん、頑張れ」みたいにいって、最後バスを降りた後、一礼するんだけど、そのあたりが涙ものでした。

最後に、深津さんなんですが、彼女は、女優の中でも顔が綺麗でスタイルがよくってというビジュアルタイプの人とは違う。

なんというか、そうじゃない存在感というか、オーラが備わっている。見る人の心に寄り添うというかスッと入ってくるみたいな、そんな感じのする女優さん。

だから、やっぱり目立ってしまうし、目を奪われるよね・・・。

申し訳ないけど、やはり妻夫木君は食われた感がいなめない。映画を見てもやっぱり思いましたね。

綺麗とか、かっこいいで補えない、ものが映像のなかでバンと出てしまうからやはり主演としてはつらい所かもしれないけど。

つっこみ所は結構あったように思うけど、やはり考えさせられる映画であることには違いない。

小さな村の小さなダンサー(ネタばれ注意)

   ブルース・ベレスホード監督作品 「小さな村の小さなダンサー」

 この映画は、なんと関西ではたった1館しか上映していないとうかなりレアな作品。

どこで知ったかというと、yahoo映画の口コミランキングでしばらく1位をとっていました、多分いまでも上位にいることでしょう。

そんなこともあって、昨日観賞いたしました。

 想像していたよりも、淡々と物語が進んでいった印象で、なんでこんなに評価が高いのかはったきりいってわかりません。

 確かにバレーのシーンはとてもよかったです、ですが、正直心に訴えかけられう部分、というか引き込まれるってことが終始なかった映画でした。

小さな村の小さなダンサーである部分は大変少なく、すぐ大人になってしまいます。

正直彼が、中国で選ばれて、英国に行くまでをしっかりと描いてくれてもよかったのでは・・・と思いましたね。

展開が早いし、彼の努力というより、天性の才能を持ち、それを誰もが認め、順風満帆にバレー人生を送っているようにしか見えないわけ。

苦労や、葛藤がバレーという部分においてほとんどなかったのですね。

なので、正直最後のシーンで彼がアメリカの大舞台で踊って、それを中国の両親が見に来るんだけどその部分もそんなに感動することが出来なかったのです。

何もかもが上手くいきすぎているように描かれているから。

サクセスストーリーって面白いけど、サクセスするまでのプロセスの描き方次第で面白くも、つまらなくもなると思うのです。

というちょいと辛口な批評になってしまいましたが、もしかしたら、私が中国の考え方の理解が足りないのだろうし、亡命するってことがどんなことなのかってことが、ちゃんとわかっていないからだろうとも思う。

なので、やはり中国人に向けた映画なのかもしれないけど。

あくまでこのド素人の感想なので、感動した方が多いのに難癖付けたいってわけではないのであしからず。

バレーのシーンは本当に感動しました。

人間の跳躍力ってどこまでが限界なんだろうとか、滑らかさってこんなに優雅に見えるんだとか、あんな綺麗に回転できるのかとか、体の美しさ、技の切れなんかは素人が見てもものすごく見惚れるものがありました。

できれば、バレーで感動するより、映画の中味で感動したかったな・・・。という。

最後中国に帰還して、パートナーと一緒に村でおどる所は素直に感動しました!!

のだめカンタービレ・最終章前編(ネタばれ注意)

   竹内秀樹監督作品 「のだめカンタービレ・最終章前編」

 テレビシリーズの映画化。

kinomi個人的には、この作りは映画というジャンルに相当しないと考えています。

あくまで個人的な意見。

というのも、映画の中で、最初から最後までの起承転結を見せていないからです。

主人公が登場して、どういう性格で、どういうことをに進んでいくのかという部分が最初から最後まで映画の中だけで描かれていない。

だから、そういう作りの作品に関しては「映画」っていうより、テレビシリーズの続編って思って見ています。

のだめの変態的な妄想部分、ちあきとの出会い、その仲間とのエピソード、パリに留学するにいたった経緯などは、前作テレビシリーズで見てくることを前提に作られているこの作品。

なので、映画から見た人はぽっーカーン・・・。って感じでしょうね。

「踊る大走査線」「トリック」「ごくせん」「花より男子」なんかもそうですよね。

そういう作品はテレビシリーズですでにしっかりとしたファンを掴んでいるから、動員数にもつなげやすい。と素人には見えます。

そいう映画で稼いで頂いて、普通の映画もとれるんだから、ギブ&テイクなんでしょうけど。

 本編。面白かったですとても。やはりロケーション最高。パリ初め、ウイーン、プラハなど芸術の都がここぞとばかりに出ているし、ホールの雰囲気は最高。

玉木宏さんは、本当に気持ちよかったでしょうねー、まあ相当なプレッシャーもあったでしょうけど。

今回の話の主軸はあくまで、玉木宏。千秋にありました。

貧乏オーケストラの指揮をまかされて、そこから、お客様を魅了する演奏を利かすまでに成長させる、千秋の苦悩が描かれています。

そこの部分は大変面白かったですね。

芸術の都パリ、ウイーン、プラハ・・・数えればヨーロッパにはそんな場所がいっぱいあるけど、そう世界中に言わせるわけが分かる。

ここは、芸術で、今回でいうところの演奏で飯を食っているということが、身近というところ。

ホールに普段着よりちょっとよい服を着た沢山の年代の人々が、このオーケストラを見守っているような印象を受けました。

歴史が古いオケだけあって、代々そうやって演奏会を聴いたり、練習したりってのが身近なんでしょうね、そういう温かみが感じられた。

貧乏をしながら、好きな音楽を続けていくって部分が描かれていて、そいう演奏家達の思いと、それでも音楽をいいものにしたいっていう気持ちとがちゃんと揺れ動いていて、オオボエのあの外国人の娘のエピソードとかよかったなぁ・・・。

コンマスの音楽への愛情や取り組み方も千秋と凄く通じるものがあったし、そこで牽引していく力が付いた。

あの人の存在もよかったな・・・。

想像するに、きっとウイーンやプラハでもこんな感じで音楽が身近で、そいう環境が音楽家たちを育てて行っているんだろうな・・・と感じられてよかったです。

その演奏を聴いて、今度はのだめが焦りだす。

さあ、どんな展開になるのかな・・。後篇が楽しみです。

演奏は、映画館の大画面でいい音響設備できいたら感動ものだったと思います!

日本の場面・・・正直不要に思えました。

一気にやすっぽさ満載になりました。

20世紀少年・最終章(ネタばれ注意)

   堤幸彦監督作品 「20世紀少年・最終章」

 原作は天才浦澤直樹。

私は彼の描いた漫画「MONSTER」の大ファン。

そしてこの「20世紀少年」ももちろん読みました。

正直、MONSTERを超える作品という意味で私のテンションを上げることはなかったけど、面白かったことには間違いない。

漫画で読んだ時、正直1回ではとても解釈するのが難しいと感じだ。

今回、映画化にあたって、そのことがもう少し分かりやすく視聴者・観客に提示されているのかと期待していたわけです。

浦澤作品はわりと登場人物が多いのが特徴、しかし、それを感じさせないほどどのキャラクターにもしったかりとした性格描写や、設定がなされていて、それを総合的に見れば、物語の構想があまりにも大きいから、それに見合った人数が描かれているんだって思う。

そいう意味で、漫画の時にもしばしば、場面転換ってのがあった。他の視点に飛ぶというような描き方。

それが、漫画で成功して、はたして映画として成功したかという問題はある。

この話は別にオムニバスという構成ではない、が、それに似たような要素はある。

一つに感情移入の問題があると思う。1話目は、もちろんケンジ。

そして2話目はカンナ。最終話はケンジ。という構造だと思うのだけど・・・。

この話に限ってはそうはいかない。なぜなら、ケンジは最終話の途中まで出てこないからだ。

難しい脚本だと思う。というか、脚本にするには。

誰にというわけにいかないから、ケンジ一派と、トモダチ一派という構造でそれぞれに感情移入できるように振り分けた印象だ。

が、ケンジ一派は、そこからさらに細分化される。

カンナ、オッチョ、ケンジ大きくても3つに分裂する。

別々の思想で行動しているから、当然と言えば当然なんだけど。

しかたないが、観客は思うだろう。いったい誰に感情を乗せてみればいいのかしら?

乗せた!と思ったら、下ろされる。

次乗せた!!と思ったら、トモダチ一派に感情移入させられる。

浦澤作品の好きな所は、どんな悪者キャラクターに対しても、その行いをした過程を理由をしっかり描ききってくれる所にある。

今回でいうとフクベエやカツマタくんサダキヨなんかがそうなんだけど、ちゃんとしたバックボーンが描かれていて、彼らの中に芽生えた、負のエネルギーがしっかりと描写されている。

そこで視聴者は思う、彼らにも感情移入出来てしまう。彼らの方がむしろかわいそうなんじゃないのか・・・・。

ともだちという組織は、実話、ケンジと友達になりたかったという実にシンプルな願望だった。

非常に不器用な少年たちの戯言が、ここまで大きなことになってしまった。

止めてほしいぼくのことを!この願いをかなえられるのがケンジだけだったという話。

どこにでも起こりえる、小さな世界の中で、自分の居場所と存在理由を探す子供たち。

今となんら変わりのない小さな社会だ。

ことのほったんも些細な些細な出来事だ。

20世紀少年最終章は、最後、健二がカツマタ君に謝ることで終了している。

二人は友達になったのだ。

その描き方が私は好きでした。

小さなことだけど、きっちりと結を付けたケンジを唐澤さんは見事に演じたと思うし、なぜケンジだったのか、よくわかる人物にリアリティーを持たせてくれた。

そう、この素直さと臆病さだ。

「俺のここが弱かった」と認める勇気と潔さが、彼らの羨望してやまないケンジの姿だったと思う。

そこが中心に最後終了して後味すっきりです。

原作ファンには色々あると思うけど、けど、描きたかった大切な部分はしっかり描かれていたと思うのです。

原作が漫画というのは映像化に対して非常に難易度の高い分野だと思うし、それを実写化した心意気は凄く感じた作品でした。

ちょんまげぷりん(ねたバレ注意)

   中村義洋監督作品 「ちょんまげぷりん」

 本日視聴しました。水曜、レディースデイでしたが、お客さんは80%ぐらい埋まってました。

女性が中心の客層でしたが、夫婦でこられている方も何組かあり、錦戸ファンなのか、監督のファンなのかわからないけど、どちらにしてもお客さんを呼べる2人がタッグを組んだ良質な作品だったと思います。

 登場人物はあまり多くはありません。錦戸君、ともさかりえさん、そして子役の男の子おもにこの3人で話が進んでいきます。

凄い量のシーンをとっているだろうから、3人さんは大変だったのではないかしら、しかも子役の子は6歳の設定になっていましたが、実際にはわからないけど、彼が非常に重要なポジショニングでした。

とっても可愛かったです。舌っ足らずで、ほっぺたプクプクしていて。彼の存在が映画全体をとてもまろやかにしていたと思います。

 ちょっとしたファンタジーなんだけど、最後の終わり方も凄くよかったし、プリンを江戸時代から作ったってくだりもにんやりしてしまいました。

ヤスベエには会えないけど、プリンは食べられたもんね。

就職活動のくだりも切実でわらったけど、すこしぐっとくる所もあってよかったな。

私、基本的にこういう柔らかいテイストのお話が好きなので、ちょんまげぷりんが面白かったです。

大作じゃないけど、こういう人々の心理状況をこまめに描いた作品はすごく好感が持てるのね。登場人物が少ないってところがよかったのかもしれないけど。

もちろん、主役の錦戸亮君はとてもよかったですね。江戸時代の扮装も、髷もとてもよく似合っていたし、まるで落ち武者みたいなヘアスタイルには笑いましたけど。

しゃべり方も、動作も、時代劇らしくとてもきれいだったし、現代にお侍さんが紛れ込んだという設定なんだから、その所作の美しさが特に目立ちましたね。

綺麗でした。子役の子が風邪を引いて、錦戸君がプリンを持っていくところの一連の動きなんてまるでお茶の所作を見ているように綺麗だったし。

私、かれの作品は何本かみているのですが、今回はとても聞き取りやすい言葉を話しているなという印象でした。

テレビドラマなんかでみると少し活舌が悪いのかな・・・と思ったもので。

マックで、やんちゃをしていた二人の子役を一喝する所なんて、凄く綺麗に声が響いていたし、聴いていてすっきり入ってきた印象でした。

 江戸時代のお侍さんが、現代に紛れ込んだら、そうかこんな感じになるかもね、っていうリアリティーがちゃんとあってお話の中にしっかり入っていけました。

そして、今回本当に、ともさかりえさんが上手いと思いました。正直、錦戸君は江戸時代の人なので、ちょっと比較対象がないんだけど、ともさかさんは本当に上手い俳優さんだなー、シングルマザーとしてのたたずまいや雰囲気、子持ちの雰囲気、仕事に対する情熱、子供を思うひたむきさ、負けず嫌い、意地っ張り、未知との遭遇にたいする動揺。

そして男の人の有難さ、ほのかな恋心・・・、すべて完璧に伝わってきました。

彼女こそ本当にナチュラルに芝居をする。違和感まるでない。

本当に上手い役者さんだな・・・、そう思いました。

だから3人とも本当によかったんですねー、この演者たちは。

そして、物語の構成と、しっかり感動させられる部分を作っていただいていたので、本当に最後、ヤスベエと別れて、お母さんまた子育て一人だし、大変と思ったものです。

お話も分かりやすい。

お気に入りの所は、やはり、マックで一喝した所。「悪いことをして、叱られるのは当たり前でござろう」的なことを言って、双方に謝らす。無視したおばちゃんにはちゃんと「無礼であろう!」といい、一本すじの通ったやりとりが気持ちよく展開される。

そして、最後には、「自分で頼んだものはしっかりたべなされ」っていう。しったかりとした教育ってこういうことなのかもしれない。

子供も、道理がとおれば、無理をいうこともない。みたいな、まっ、あくまで映画ですけれど、ちょっと昔よき日本の教えのいいところが映画にでていたのもよかったです!

ゴールデンスランバーや、ジェネラルルージュなどはちょっと苦手な分野なんだけど、ちょっと見てみようかな・・・と思いました。

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